日本の伝統色・茶

茶色は「四十八茶」とよばれ、その種類は70種ほどあるといわれています。


茶色(ちゃいろ)
茶の葉で染めた色。



弁柄色(べんがらいろ)
顔料の「弁柄」の色からその名があります。昔の建造物の柱や格子戸に用いられていた色でもあり、わずかに黄味がかった濃い茶色で、「紅柄色」ともいわれます。



土器色(かわらけいろ)
黄土などで染めた色で、赤味のある茶色。


丁字色(ちょうじいろ)
香染め一種で、フトモモ科丁子の煎汁で染め出される色をいい、媒染しない場合は淡い香色となりますが、鉄・灰汁媒染することでで丁字色となります。熱帯常緑樹である丁子は昔、珍重されていたので宝尽くし文様にも描かれています。くすんだ黄味がかった茶色。丁子色とも書きます。



黄橡(きつるばみ)
橡はどんぐりの古名で、黄橡色はそのどんぐりのカサの部分を煎じ、汁と灰汁とによって染めた、やや緑がかった黄褐色のことをいいます。



琥珀色(こはくいろ)
宝石としても珍重される、透明感のある「琥珀」からこの色名があうようです、透明感のある明るい茶色。



焦茶(こげちゃ)
物が焼け焦げたような黒味のある茶、セピア色。



葡萄茶(えびちゃ)
海老茶ともいわれます、暗い赤ぶどう色がかった茶色。明治時代に女学生の間で大流行し、袴地に用いられていました。



煤竹(すすたけ)
古くなった竹が、すすけた時のような色を意味しています。暗い灰黄。媒竹茶ともいわれます。



朽葉色(くちばいろ)
枝から落ちた木の葉が朽ちていくときの色を意味していて、朽葉色には、赤朽葉、黄朽葉、青朽葉があります。



枯色(かれいろ)
草の枯れたようすをあらわした色。「枯草」「枯色」「枯野色」などともよばれます。



香(こう)
香料となる丁子の煎汁で染めるところからついた色の名で、くすんだ黄色。多種の色があり、「木蘭」ともよばれます。



江戸茶(えどちゃ)
江戸好みの茶色をいい、「当世茶」ともよばれます。濃い赤褐色。



桑茶(くわちゃ)
桑の木の染め色の煎じ汁で染めた茶色で、褐色味のある黄色を言う。「桑色」ともいわれます。



白茶(しらちゃ)
茶系の色が、色あせ白っぽくなるのを「白茶ける」といい、茶系ので一番白っぽい色をいいます、ベージュ。



媚茶(こびちゃ)
揚梅(もも)の皮を用い鉄媒染で染め出された色をいいます。緑がかった、くすんだ茶色。「海松茶(みるちゃ)」ともよばれます。



鶯茶(すぐいすちゃ)
鶯色がかった茶色。



千歳茶(せんさいちゃ)
媚茶と同じ揚梅(もも)の皮を用いて染められた色で、緑がかった薄い茶色。


団十郎茶色(だんじゅうろうちゃ)
歌舞伎役者、市川団十郎の好みの色ということからこの名があり、渋い濃い茶色をいいます。歌舞伎の定式幕に用いられる三色(緑茶黒)のうち茶色はこの団十郎茶です。またこの色は、「柿色」「柿茶」「柿渋茶」ともよばれます。


璃寛茶(りかんちゃ)
江戸後期、大阪の歌舞伎役者、二代目嵐吉三郎の好みの色で、舞台などで好んでよく着物などに用いたようです、俳名の璃寛(りかん)が色の名になっています、渋いこげ茶色。



芝かん茶(しかんちゃ)
芝かんこと中村歌右衛門の好みの色で流行したことから色の名があり、黄味がかった鈍い赤。



路考茶(ろこうちゃ)
江戸期の人気女形、瀬川菊之丞の俳名の「路考」の好みの色であったことからそれが色の名になっています、黄茶で黒味がかった色、渋い金茶色。
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