着物の文様・模様・柄:カテゴリー

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江戸小紋の文様

江戸小紋は単色型染めの小紋として江戸時代には武家の裃などにも用いられていました。格が高く、色無地同様に紋をつけると礼装の着物として着用できます。江戸小紋は和紙を柿渋で加工した型紙を数枚重ねて一度に型を彫り、その後染められる手の込んだものです。型彫りには、錐彫り、突き彫り、縞彫り、引き彫り、道具彫りなど彫る柄によって技法や使う道具が異なり、江戸小紋にはさまざまな文様があります。

●錐彫り
行儀小紋、鮫小紋、角通し小紋をはじめとして、
静御前、梅、業平菱
わらび、貝づくし、家内安全など
●道具彫り
からせみ小紋、七宝繋ぎ小紋など
●錐と道具彫り
縞に紙雛など
●縞彫り
縞小紋、雨縞小紋など
●突き彫り
菊柄小紋など

業平菱
わらび
貝づくし
行儀
静御前
力鮫
からせみ
縞に紙雛

文様の表現

着物や帯に文様をあらわす方法として、染、織をはじめとして繍(ぬい)、切りばめ、置きなどがあります。

●染
手描きや型紙を用いて文様を染め表現します。

●織
手織りと機械織があり、色糸や金銀糸などを用いて文様を表現

●繍(ぬい)
刺繍(ししゅう)や刺(さ)し子によって文様を表現
●切りばめ
適当な形の布を縫い合わせ文様を表現=パッチワーク

●置(おき)
模様の形に切った布を生地の上に置いて、縫いつけ文様を表現=アップリケ

文様と季節

着物や帯はさまざまな模様づけがされ、それにより季節感を感じることができます。四季のある日本、春には春にふさわしい装いをしたいものです。

●季節のある柄
植物、風物詩、自然風景などがあり、節分、お雛さま、こいのぼり、桜、風鈴、朝顔、花火、ススキなどがあります。
●季節のない柄
幾何文様、生活財文、人物文様、文字文様、想像上の動植物などがあり、立涌、市松(石畳)、楽器類、童人、鳳凰や宝相花(ほうそうげ)や文字などの文様があります。





文字文様

文様にはたくさんの種類があり、幾何、天象、自然風景、動植物、空想的動植物、人物、器物、文字などです。

●文字文様
おめでたい文字や願いに通じる文字などを文様としたもので吉、喜、福、寿、夢、卍などがあります。



生活財文

文様にはたくさんの種類があり、幾何、天象、自然風景、動植物、空想的動植物、人物、器物などの生活財文、文字などです。

●生活財文
建物、工具、道具、楽器、装身具など身にまとうもの、身の回りの道具、楽器などを文様にしたものです。


人物文様

童人、仙人、天人、狩猟人物などの人を文様にしたものです。






空想的動植物文様

鳳凰(左図)、天馬、竜、花喰鳥(はなくいどり)唐草、宝相華(ほうそうげ)があります。想像上の動物、植物を文様にしたものです。





動植物文様

草、木、花、果実、蔦(つた)などの植物、魚、鹿、馬、鳥、蝶などの動物文様があります。花などの柄は人気もあり着物ではもっとも多く用いられている文様です。




自然風景文様

茶屋辻(ちゃやつじ)模様、御所解(ごしょどき)模様などが自然風景文様にあたります。流水、山水、岩石など、絵画的に自然風景をあらわした模様が表現されています。




天象文様

月、星、日、雲、霞(かすみ)、雨、霰(あられ)、雪、月などが天象文様にあたります。天体や気象に関係のある文様で、自然現象文様ともいわれます。




幾何文様(きかがくもんよう)

市松(石畳)、格子、三角、亀甲、立涌(たてわく)、菱、縞(しま)、水玉などがあり、点、面、線、曲線であらわした文様です。





花筏文(はないかだもん)

花筏文は、筏の上やまわりに草花を置き川を流れていく様子を文様にしたもので、着物の文様だけでなく、加賀紋などにも用いられています。春の着物には桜の筏が似合います。




宝尽くし(たからづくし)

宝尽くしは打出の小槌をはじめとして、銭を入れる袋「金嚢」、願いのかなう宝のたま「如意宝珠」、宝剣・宝輪などおめでたいとされる宝物をちりばめた文様で、吉祥文様、名物裂として有名です。華やかでおめでたい文様であることからご祝儀の着物や帯、小物などにも用いられます。



荒磯(あらいそ)

荒磯は、波間に踊る鯉をあらわした吉祥文で、名物裂としても有名です。帯地に多く見られます。






檜垣文(ひがきもん)

檜垣文は、檜(ひのき)の薄皮をあじろのように編んだ文様で、小紋に多く用いられている文様です。





網目文(あみめもん)

網目文は、魚や鳥をとる際に用いた網の網目を文様にあらわしたものです。和服の文様としてはもちろんのことお茶碗や急須などの陶磁器の染付けでもお馴染みの文様です。




紗綾形(さやがた)

紗綾形は、卍をくずし組み合わせた文様で、平織り地に4枚綾で文様を織った絹織物の紗綾からこの名がついたようです。慶長時代の小袖のほとんどは紗綾形の綸子であったといわれています。現在でも綸子地をはじめとして多く用いられています。




市松文(いちまつもん)

市松文は、鱗文と同じようにシンプルでモダンなことから洋服などにも用いられている文様です。2色の正方形を交互に並べた文様で石畳(いしだたみ)文ともよばれます。着物や長襦袢の地紋として多く用いられています。




鱗文(うろこもん)

鱗文は、2色の2等辺三角形もしくは正三角形を組み合わせた文様で、シンプルでモダンな柄であることから洋服などでも見られる文様です。魚の鱗に見えることからこうよばれます。着物や長襦袢の地紋に多く用いられています。



雪輪(ゆきわ)

雪輪は雪の結晶の六角形の輪郭を、6つの花びらにみたて円形に描いた雪の文様です。慶弔どちらでも、用いることができることもあり人気の文様です。





源氏車(げんじぐるま)

源氏車は、昔天皇や貴族たちの用いた、牛車(ぎっしゃ)の車輪を文様にしたものです。全形をあらわしたものと半形をあらわしたものがあり後者を片輪車文とよびます。




露芝(つゆしば)

露芝は、線弧を三日月形に描き芝草に露の玉がついている状態をあらわしています。四季を通じて用いられる模様ですが、水ということで涼しく感じられることから、特に夏のキモノや帯の柄に用いられます。




矢絣(やがすり)

矢絣は、矢羽根に似ていることからそうよばれ、絣柄のひとつですが染め物でも見かけます。江戸時代以降、矢絣の着物に袴姿は女学生の代名詞となり、漫画ハイカラさんなどでもお馴染みの柄です。




むじな菊

狢菊(むじなぎく)は小菊の花びらを細かく、八重の菊花の形にすきまなく、たくさん散らし菊の花びらで敷き詰めた文様で、狢(むじな=アナグマ)などの動物の毛並みに見えることからよばれます。




万寿菊(まんじゅぎく)

万寿菊は、菊の花をお饅頭(まんじゅう)のような丸い形に表現したとてもかわいらしい文様で、家紋にも用いられています。





毘沙門亀甲(びしゃもんきっこう)

六角形を亀の甲羅にみたてた亀甲文様を変形させた幾何学模様です。その亀甲を3つ合わせ接する内側の辺を取り除いた特徴のあるユニークな形をしています。連続してつなげたものを毘沙門亀甲繋(つばなぎ)文とよんだりもします。




麻の葉(あさのは)

麻の葉は6つのひし形を1枚の麻の葉にみたて、それを放射線状に繋げた幾何学模様で、麻の木はすくすくと育つことから産着をはじめ、赤ちゃんの肌着などにもよく用いられます。シンプルで飽きのこないことから人気のある文様のひとつです。



七宝(しっぽう)

七宝は、ひとつの輪の四隅に4つの輪を重ねた文様で輪違い文ともよばれます。また数多く連続して繋げたものを七宝繋(つな)ぎ文といいます。





青海波(せいがいは)

波模様を魚の鱗(うろこ)のように山形に連続させた文様で、海の大きな波をあらわしています。小紋の代表的な柄として用いられ、また波のかわりに菊で表現した菊青海波もよく見かけます。





立涌文(たてわくもん)

立涌文は、立枠(たちわき)文ともいわれ、2本の曲線を用い雲気、水蒸気が涌き立ちのぼっていく様子をあらわしていて、有職文様のひとつです。曲線のふくらんだところに、雲、波、藤、菊、松などを入れて、雲立涌、波立涌、藤立涌、菊立涌、松立涌と立涌の中にもさまざまな文様があります。歴史上の屏風や宝物などにも、また能の装束などにも立涌文が用いられています。


有栖川錦(ありすがわにしき)

斜め格子のなかに鹿などの動物を直線的にあらわした文様で、名物裂としても有名です。鹿に変り襷(たすき)文といういわれ方もします。鹿のほかに、馬や龍なども用いられます。




辻ヶ花(つじがはな)

辻ヶ花文様は、絞り染めを基調に草花の文様などを筆で描いたもので、高度な技術と優美な柄ゆきで室町末期から桃山時代にかけての短い期間に作られ、その後は見かけなくなったことから、幻の染めともいわれています。白・茶・紫・藍の地色に、文様の輪郭を縫ってからしごいて防染する、縫い締め絞りが特徴です。


茶屋辻(ちゃやつじ)

茶屋辻模様は、山水文、草花文、楼閣(ろうかく)や風景などが描かれた図柄のことをいい昔、上流武家 の女性達が夏の正装に用いた麻地の総模様の絵柄が茶屋辻の起源といわれています。訪問着やつけ下げ、小紋の着物をはじめ帯にも用いられ、昔も現在も人気の文様のひとつです。



観世水(かんぜみず)

観世水は、巻き水を中心とし渦巻状に左右に水波を、平らに表現した水模様です。能楽の家元、観世家が用いたことから観世水とよばれます。





唐草文

唐草文は、蔓草(つるくさ)の蔓や葉がからみ合い連続的に曲線を描いている文様で、牡丹(ぼたん)唐草、葡萄(ぶどう)唐草、菊唐草、梅唐草、桐唐草、藤唐草などがあります。歴史は古く、また風呂敷の模様としても用いられていることから、よく知られている文様です。




桐竹鳳凰文(きりたけほうおうもん)

桐竹鳳凰文は中国からの伝えで、鳳凰は桐の木に棲み、竹の実を食べたとのことから桐と竹、想像上の瑞鳥である鳳凰(ほうおう)を組み合わせた文様をいいます。桐竹鳳凰文は、天皇の夏冬の御袍(ごほう)に用いられた高貴な文様で有職文様の一つでもあります。また桐竹鳳凰文に麒麟(きりん)を組み合わせた桐竹鳳麟文(きりたけほうりんもん)も同様に扱われ、格調高い文様です。

四菱(よつびし)・花菱(はなびし)

菱の文様を4等分し、それを四つの花弁とみたてた文様で武田菱ともいわれる。有職文様やさまざまな宝物や古裂などで四菱は見かけられます。四菱はまた花菱として家紋にも用いられています。





花喰鳥(はなくいどり)

花喰鳥は、ササン朝ペルシャでの文様が原型とされていて、花や樹枝をくわえて羽ばたく鳥の図柄です。鳥が幸せを運ぶという意味から縁起が良いといわれ吉祥文様として用いられています。鳥は鳳凰、鸚鵡(オウム)、鴛鴦(おしどり)、尾長鳥、鶴など、また牡丹の花や空想上の花、宝相華(ほうそうげ)など当時流行していた図が多く、正倉院宝物の図柄にある花喰鳥は、官職のしるしとした組紐、綬帯(じゅたい)やリボンをくわえたものとなっています。

宝相華(ほうそうげ)

宝相華は唐草文の一つで、牡丹(ぼたん)や蓮(はす)、柘榴(ざくろ)などの植物を部分的に取りいれ、唐草(からくさ)風に表現し、宝相華という空想上の植物がつくられたそうで、実在する花ではありません。宝相華は吉祥の花、文様として扱われています。唐の時代の中国で考案されたといわれていて、日本では正倉院の宝物の文様に見ることができます。

扇面(せんめん)

扇面模様は、扇面(せんめん)の他、扇(おうぎ)、末広(すえひろ)などとよばれます。末広の文字からもわかるように末が広がることから縁起のよい模様とされています。扇面の模様は単独ではなく、扇面の中に草花などの模様を入れて描かれ用いられます。



元禄(げんろく)模様

元禄模様は、江戸時代中期の元禄期に流行した模様をいい、寛文文様にくらべ個々の模様は小振りですが、大柄な絵模様に優美さが加わり中間色の多い華やかな文様で、また刺繍の糸を厚く用いたりして時代の華やかさを反映しています。格子、石畳、輪違い、鹿(か)の子、鱗(うろこ)つなぎ、槌車(つちぐるま)などがこの時代の代表的な文様です。




寛文(かんぶん)模様

寛文模様は、大きな文様を右肩と後ろ身頃を中心に配置、かつ余白もある大胆な構図が特徴です。この余白には意味があり、帯付き姿=着装した姿が美しいよう計算されたもので、絵羽模様の原型ともいわれています。






慶長(けいちょう)模様

慶長模様は古くから伝えられてきた模様で、着物全体をすき間なく、刺繍(ししゅう)や金銀の箔(摺箔)で埋め尽くした豪華な総模様で、余白がなく地が見えないことから、「地無し模様」や「地無し小袖」ともいわれます。






吉祥(きっしょう)文様

吉祥文様とは、おめでたい、縁起のよい模様をいい、礼装の着物や袋帯などに用いられます。動物の文様では鳳凰(ほうおう)、鶴、亀、獅子、竜など、植物の文様では牡丹(ぼたん)、松竹梅、霊芝(れいし)など、そのほか扇(おおぎ)、熨斗(のし)などがあります。



四君子(しくんし)文様

四君子文様とは、高潔で気品がある4つの植物、蘭(らん)、竹、梅、菊を組み合わせた文様のことで、中国では吉祥文様として扱われ、また春は蘭、夏は竹、秋は菊、冬は梅と四季を通じて画題の題材として用いられます。四君子文様は4つの植物がすべて揃った文様をさすので、いずれかが描かれたものはそうよびません。吉祥文様なので、礼装の着物や袋帯に用いられます。


有職(ゆうそく)文様

有職文様は「ゆうしき」文様ともとばれ、中国から伝来し日本に定着した模様とされています。有職とは、平安時代の宮中の儀式や行事に関する研究者や学者を有識者とよび、その有識者たちが着用していた衣服の模様が有職模様であったことから、こうよばれます。有職文様には、鳳凰(ほうおう)紋、雲鶴(うんかく)紋、立湧(たてわく)紋、菱(ひし)紋などがあり、格調高い文様として着物や帯などに用いられています。


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